[Excel]献立作成ソフトを作ろう 第20回(最終回) ユーザー要求仕様の検証 

第20回は、第1回で作成した要求仕様書の内容と、これまでに実装した献立作成ソフトの機能を確認していきます。今回で、本連載は終了です。

 ユーザー要求仕様の検証

第1回で洗い出した要求仕様は下記の通りでした。これらの要求と、実装した機能を照らし合わせていきましょう。

  1. レシピ(材料・調理手順)を100件以上登録できること
  2. 登録したレシピは別のレシピの材料として使用できること
  3. 登録したレシピから1週間の献立表が作成できること
  4. 献立表にカロリーと3大栄養素が自動で表示されること

レシピ(材料・調理手順)を100件以上登録できること

この機能は、第3回第13回で実装した”レシピ作成シート”と”レシピ詳細”シートで実現しています。レシピは”レシピ作成シート”で作成し、作成したレシピは”レシピ詳細”シートに保存しました。今回作成した”レシピ作成シート”は、材料または調理手順の最大登録数を20件で実装しました(この件数は簡単に増やせます)。そのため、レシピ1件のデータ量は20行と考えます。Excel(2007以降)の最大行数は1048576行なので、最小で52,428件のレシピが保存できます。

このシートで実装したかったものとしては、栄養計算に含めない材料(揚げ油など)の入力欄の追加、単位換算(質量と容量の変換)の自動化などがありました。特に単位換算は解説するには少し複雑なので、今回は省きました。

登録したレシピは別のレシピの材料として使用できること

この機能は、第19回 成分表への料理の登録で実装した”成分表項目作成シート”で実現しています。余談ですが、”レシピ詳細”シートに登録した全ての料理を、自動的に他の料理の材料として使用可能な状態にすることもできました(そういう要求があれば実装可能という意味で)。しかし今回は、”算出可能なデータは保存せず、都度計算する”ことを意識して実装しました。もちろん、都度計算することで実用上許容できないレベルの速度低下が発生する場合は、算出可能なデータであっても保存する実装はアリです。この辺はトレードオフですね。

登録したレシピから1週間の献立表が作成できること

この機能は、第14回第17回で実装した”献立作成シート”で実現しています。今回の実装では、1日に3食分の献立を作成できるようになっており、この3食は提供時間帯(朝・昼・夕)で固定されています。この辺の数式を少し修正することで、提供時間帯以外の表現を数式を変更することなく適用できます。例えば「A定食・B定食・麺」などに変更することも可能です。

献立表にカロリーと3大栄養素が自動で表示されること

この機能は、第18回 献立の保存と週間献立表の作成で実装した”週間献立表”シートで実現しています。要求仕様にはありませんでしたが、カロリーと3大栄養素に加えて食塩(相当量)と食物繊維も表示しています。このシートを少し修正すると、数式を変えずに任意の栄養素を表示させることも可能です。

終わりに

という訳で、実務に使えるExcel講座第一弾として、Excelで献立作成ソフトを作ってみました。如何だったでしょうか?

実務で使用する場合は、追加で各現場に合わせた機能が必要になるかと思います。そして、献立作成ソフトをExcelで作成することで、欲しいと思った機能を自力で実装することができます。これがExcelの強みであり、本連載を始めた動機でもあります。世の中には無数の献立作成・栄養計算ソフトが存在しますが、自分の現場で欲しい機能が100%用意されていることは稀かと思います。また、現状は良くても、将来的に欲しい機能が増える場合もあります。また、セキュリティ面または費用面で献立作成ソフトが導入できない現場も存在するでしょう。その時に、自分で作るという選択肢があると、それらの障害に邪魔されることなく、時間の掛かるルーチン業務を機械に任せることができます。特に栄養管理に携わる方々は多忙な方が多いので、自動化できるものは自動化すべきです。なお、費用面でExcel自体が導入できない場合は、LibreOfficeを使用しても良いでしょう。

それでは、この連載が栄養管理に携わる方々の一助になることを願って、本連載を終了したいと思います。ご愛読ありがとうございました。

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