[Excel]MATCH関数

2019年9月16日

検索/行列

MATCH関数

照合の型に従ってセル参照または配列に含まれる値を検索し、検査値と一致する要素の相対的な位置を数値で返します。

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機能

MATCH 関数は、「検索値」を「検索範囲」の中から検索し、その値が存在する相対的な位置を数値で返します。「照合の型」で検索方法を指定することが出来ますが、「検索範囲」の要素がソートされていないか、又は将来的にソートされた状態を維持出来ない場合は「0」を指定します。相対的な位置は、「検索範囲」の最初の要素を1として数えます。「検索値」が「検索範囲」の中に存在しなかった場合、戻り値は「照合の型」により異なります。「照合の型」が「0」の場合は「#N/A」を返し、それ以外の場合は近似値の位置を返します。

構文

MATCH(検査値, 検査範囲, [照合の型])

引数 説明 引数の指定 既定値
検索値 検査範囲の中で照合する値を指定します。たとえば、電話番号帳を使ってある人の電話番号を調べるとき、検査値としてその人の氏名を指定しますが、実際に検索するのは電話番号です。
検査値には、値 (数値、文字列、または論理値)、またはこれらの値に対するセル参照を指定できます。
必須 (無し)
検索範囲 検索するセルの範囲を指定します。 必須 (無し)
照合の型 -1、0、1 の数値のいずれかを指定します。照合の型には、検査範囲の中で検査値を探す方法を指定します。この引数の既定値は1です。
次の表は、照合の型に基づいて関数が値を検索する方法を示しています。

照合の型 動作
1 または省略 MATCH 関数は、検査値以下の最大の値を検索します。検査範囲の引数の値は、昇順の並べ替えでは、1 ~ 9、A ~ Z、あ~ん、FALSE ~ TRUE の順に配置されます。
0 MATCH 関数は、検査値と等しい最初の値を検索します。検査範囲の引数の値は、任意の順序で指定できます。
-1 MATCH 関数は、検査値以上の最小の値を検索します。検査範囲の引数の値は、降順の並べ替えでは、9 ~ 1、Z ~ A、ん~あ、TRUE ~ FALSE の順に配置されます。
省略可能 1

解説

MATCH関数は、他の検索/行列関数とは異なり、値から領域(連続するセル範囲)中の値の位置を取得できる唯一の関数です。この関数を単独で使用する機会は殆ど無く、他の関数と組み合わせることで、非常に強力な関数となります。なぜなら、ワークシートのデータ構造は、セルで出来た表のようなもので、硬い表現をすればセルの二次元配列だからです。表(二次元配列)は、行番号と列番号を指定することで、セル(及びセルに格納されている値)を特定することができます。行番号又は行番号の指定にMATCH関数を用いることで、データの取得を自動化することができます。この具体的な方法については別途解説します。

MATCH 関数は、検索の際に英字の大文字と小文字を区別しません。
「照合の型」 が 「0」 で、「検索値」が文字列の場合は、 検査値の引数で、疑問符(?) やアスタリスク (*) をワイルドカード文字として使用できます。ワイルドカード文字の疑問符は任意の 1 文字を表し、アスタリスクは 1 文字以上の任意の文字列を表します。ワイルドカード文字ではなく、通常の文字として疑問符やアスタリスクを検索する場合は、その文字の前に半角のチルダ (~) を付けます。

下記に、MATCH関数の挙動を示します。

A B
1 社員番号 名前
2 1001 鈴木 翔太
3 1002 佐藤 明日香
4 1004 高橋 翔
5 1005 田中 美咲
6 1006 佐藤 楓
数式 戻り値 説明
=MATCH( 1001 , A2:A6 , 0 ) 1 領域A2:A5の中から「1001」が存在する位置を返します。先頭セル「A2」からの相対位置であるため、「1」が返ります。
=MATCH( 1005 , A2:A6 , 0 ) 4 領域A2:A5の中から「1005」が存在する位置を返します。先頭セル「A2」からの相対位置であるため、「4」が返ります。
=MATCH( 1001 , A:A , 0 ) 2 領域A:Aの中から「1001」が存在する位置を返します。先頭セル「A1」からの相対位置であるため、「2」が返ります。「検索範囲」に列全体を指定すると、戻り値はワークシートの行番号とみなすことができます。
=MATCH( 1005 , A:A , 0 ) 5 領域A:Aの中から「1005」が存在する位置を返します。先頭セル「A1」からの相対位置であるため、「5」が返ります。「検索範囲」に列全体を指定すると、戻り値はワークシートの行番号とみなすことができます。
=MATCH( 1003 , A2:A6 , 0 ) #N/A 領域A2:A5の中から「1003」を検索しますが、存在しないため見付かりません。「照合の型」が「0」なので「#N/A」を返します。
=MATCH( 1001 , A2:A6 , 1 ) 1 「照合の型」が「1」であり、かつ「検索値」が「検索範囲」内の存在する場合、戻り値は「照合の型」に「0」を指定した場合と同一になります。
=MATCH( 1002, A2:A6 , 1 ) 2 同上
=MATCH( 1003 , A2:A6 , 1 ) 2 領域A2:A5の中から「1003」を検索しますが、存在しないため見付かりません。「照合の型」が「1」であり、かつ領域「B2:A5」の値が昇順で並んでいるため、直近の値「1002」の位置番号「2」を返します。
=MATCH( “田中 美咲" , B2:B6 , 0 ) 4 「検索値」は文字列でも使用可能です。
=MATCH( “田中*" , B2:B6 , 0 ) 4 「検査値」が文字列であり、かつ「照合の型」が「0」の場合、ワイルドカード「*」(任意の1文字以上の文字列と一致する特殊文字)が使用できます。
=MATCH( “佐藤*" , B2:B6 , 0 ) 2 ワイルドカードにより「検索範囲」内の複数の値と一致する場合は、最初に一致した値の相対位置を返します。この例では、「検索値」である「"佐藤*"」は「"佐藤 明日香"」と「"佐藤 楓"」が一致していますが、「佐藤 明日香」の方が上にあるで、その相対位置「2」を返します。
=MATCH( “佐藤??" , B2:B6 , 0 ) 5 ワイルドカード「?」(任意の1文字と一致する特殊文字)を使用することで、より柔軟な検索が可能です。この例では、「"佐藤"」という苗字は2名居ますが、苗字と空白文字を含めて4文字の人は「佐藤 楓」のみであるため、その相対位置「5」を返します。

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Posted by 黒箱